「電力のインターネットはなぜできない?」で述べたように、「デジタルグリッドルーター」などの技術により、隣近所の太陽光発電をつなげて電力のインターネットを構成することは技術的に可能になってきていると考えられます。自立した電力の配電網を「マイクログリッド」などと呼んでいます。
このような独自の電力ネットワークが様々な階層ででき、相互に連携していくことができれば、電力の地産地消になり、温暖化防止にもなり、災害にも強い地域をつくることにつながっていくと考えられます。しかし、このようなマイクログリッドをつくるうえでの最大の難関は、地域の独自の配電網を構成するということだと考えられます。
既に電力会社の配電網ができている中で、独自の配電系統を作るのは、コストの面でも管理の面でも非常にハードルが高く、自然発生的にマイクログリッドが各地でできていくということは考えにくい状況です。
しかし、「デジタルグリッドルーター」が利用できれば、隣同士の配線はどのような規格のものでも電力を相互に送ることができると考えられます。極端に言えば、家電の100V用の電線でもよいと思われます。最大の難関は、隣同士で電線をどのように工事して(経済的な負担も含めて)設置していくかということかかもしれません。隣の家と電線一本結ぶことができれば、マイクログリッドを作っていく基盤となりますが、電線一本結ぶことは結構、繊細な課題だと思われます。町内会などが音頭をとってもすんなり進むことは難しいかもしれません。
そのような中で「ペロブスカイト太陽電池」が利用できるのではないかと思いつきました。「ペロブスカイト太陽電池」は、軽量で非常に薄くてコスト的にも安く製造でき、今後の普及が期待される技術です。非常に薄くて曲げることができるので、建物の壁面や電柱など様々な場所に設置することが可能となります。
このペロブスカイト太陽電池を、隣接地を結ぶ電線代わりに利用することができるのではないかと考えられます。この薄型の太陽電池シートに、電力を融通するための配線も同時に組み込んでおきます。各住宅は、この薄型の太陽電池シートを建物外壁や塀の外側に設置し、発電を行います。隣接の住宅同士は塀がつながっていたり、極めて近い距離で設置してある場合が多いので、残りの僅かな距離をデジタルグリッドルータを介して電線で接続すれば、隣接住宅を結ぶマイクログリッドを構成することが可能ではないかと考えられます。
さらには、ペロブスカイト太陽電池を組み入れたコンクリートブロックや側溝のコンクリート蓋ができれば、より簡易に独自の配線網をつくることが可能であると思われます。
(注:既に研究や特許があるかもしれません。申し訳ありません、よく調べず、思いつきで書いています。)