石田武志『再生可能エネルギーによる循環型社会の構築』成山堂書店 ISBN 978-4-425-98511-1、2020年3月刊、2000円
書籍概要
2030年までの国際目標として掲げられた「持続可能な開発目標(SDGs)」には、分野ごとに17のゴールおよび169のターゲットが示されています。
一方、地球の気候システムをも改変させ始めている肥大化した現在の産業文明は、その存続の危機に立たされていると考えられます。
SDGsの目標の達成のためには、個々の政府・企業・非営利法人などの活動が一層重要になってきていますが、同時に、現在の産業文明の構造自体から考え直して、真に持続可能な文明の形を考えていく必要があります。
その中で、自分なりシナリオを構築し、目標に向けて真摯に実行していくことが必要となりますが、本書では、その方法の一つとして考え方やシナリオを提示しています。
それはもちろんまだ完璧なものではありませんが、今後の世界や日本の進むべき方向を考えるための議論のたたき台になれば幸いと考えています。
目次
序章
第1章 文明の誕生と崩壊 ―熱力学で理解する持続可能な文明の条件―
1-1 世の中の現象はすべて熱力学に支配されている―非平衡に生まれる“散逸構造”とは
1-2 なぜ生命は高度に進化し繁栄するのか?
1-3 なぜ文明は繁栄するのか?
第2章 産業文明とその限界
2-1 文明の跡地は砂漠になる?―砂漠の中の古代文明跡
2-2 現代の産業文明とその限界
2-3 持続可能な文明の条件
第3章 海・沿岸部を起点としたメタノール文明の形
3-1 人工生命型エネルギークラスターと資源循環エンジン
3-2 バイオメタノールを基軸とした資源循環エンジン
3-3 バイオメタノールを起点とした文明の構築
3-4 バイオメタノール文明を補完するマグネシウム燃料
第4章 海洋文明国家のつくり方
4-1 2019年の現状;新しい文明をつくる土壌
4-2 2020年代;新文明の萌芽
4-3 2030年代;エネルギー・ネクサス組合が自治体、大学、企業を飲み込む
4-4 2040年代;ベーシックインカムの実現
4-5 2050年代;メタノール文明の完成形
4-6 2060年代;人工知能のシンギュラリティを超えて
おわりに